乳児の発達・発育相談
発達とは、「話せるようになった」「ハイハイできた」など、運動面や言語面に関する成長のことを指し、発育とは、身長や体重など、身体面での成長のことを指します。
乳幼児健診では、発達面と発育面の両方とも診ていきます。なお発育には個人差があるため、その個人差を考慮しながら経過観察を行うのか、もしくは詳しい検査をする必要があるのかを検討します。
また、3~5歳以降で、多動傾向や言葉の発達面の相談・精査が必要な場合は、発達専門の先生による診療が必要です。「大学病院や専門機関での受診は敷居が高い」と思いましたら、お住まいの地域にある療育センターや、保健所などの施設をご利用いただくこともお勧めします。その場合、日常生活面での支援もしていただくこともできます。
このようなことでお悩みはございませんか?
- お子さまの体重が増えない
- 肥満の傾向が気になる
- 離乳食を食べてくれない
- 離乳食のすすめ方がよくわからない
- 他の子に比べて発達が遅れている気がする
赤ちゃんの発達の流れ
発育・発達には個人差があり、下記の表記は目安となります。
運動
3か月~4か月 | 首が座る |
---|---|
5か月~7か月 | 寝返りをうつ |
5か月~7か月 | 支えなしで座る |
8か月~10か月 | ハイハイ |
8.5か月~10か月 | つかまり立ち |
10か月~ | つたい歩き |
11か月~ | 一人で歩く |
心・ことば・社会性
1か月~3か月 | あやすと笑う |
---|---|
3.5か月~6か月 | いないいないばあで喜ぶ |
5か月~7か月 | 人に向かって赤ちゃん言葉を話す |
6か月~8か月 | 人見知りをする |
9か月~ | バイバイする |
9.5か月~ | 大人の動作の真似をする |
11か月~ | 「ママ」「パパ」など言う |
11か月~ | 指さしをする |
赤ちゃんの哺乳量と体重増加
1歳までの赤ちゃんでしたら、太りすぎを心配する必要はありません。体重が増えるのは元気な証拠です。また、体重の増加が悪くても、あまり心配する必要はありません。その際は、原因や体質について、一緒に観察していきましょう。
※離乳食が始まるまでの赤ちゃんの1日のミルク哺乳量:1kg当たり約100ml~200ml
1日のミルク哺乳量の平均:1kg当たり約150ml
1回の哺乳量の目安:1kg当たり約20ml
乳児の体重増加の目安
産婦人科を退院してからの1年間で、赤ちゃんの体重は約3倍にもなります。1ヵ月あたり数百グラムずつ増える計算です。
男の子の平均体重 | 女の子の平均体重 | |
---|---|---|
出生時 | 2.98kg | 2.91kg |
1~2ヵ月 | 4.78kg | 4.46kg |
2~3ヵ月 | 5.83kg | 5.42kg |
3~4ヵ月 | 6.63kg | 6.16kg |
4~5ヵ月 | 7.22kg | 6.73kg |
5~6ヵ月 | 7.67kg | 7.17kg |
6~7ヵ月 | 8.01kg | 7.52kg |
7~8ヵ月 | 8.3kg | 7.79kg |
8~9ヵ月 | 8.53kg | 8.01kg |
9~10カ月 | 8.73kg | 8.20kg |
10~11ヵ月 | 8.91kg | 8.73kg |
11~12ヵ月 | 9.09kg | 8.54kg |
体重増加が遅れているとき考えられる原因
まずは哺乳のリズムをつけるために、3時間間隔で哺乳させることをお勧めします。
特に体重増加が1日15g以下の赤ちゃんは、何らかの原因が隠れている可能性が高いです。また、具体的に言いますと「母乳の出がまだ少ない」「少しずつ飲む」場合は、哺乳回数は多くても哺乳量が増えていないこともあります。
※1回の哺乳量の目安は体重1kg当たり20mlです
子どもが太りすぎか気になる・将来の肥満が心配?
赤ちゃんの哺乳量・体重の増加は、個人差が大きいです。また、乳児期に太っていた子が必ずしも、学童期に肥満体型になるわけではありません。乳児期は心身ともに大きく成長する時期で、赤ちゃんが摂った栄養は脳や内臓などの成長に使われます。そのため、無理に離乳食やミルクの量を減らしたり、ミルクを薄めたりするのは避けてください。
離乳食と体重のお悩みについて
離乳食を食べてくれない原因は?
まだ離乳食を食べる発達段階になっていない
離乳食を始めるのに適した年は、生後5カ月経過してからです。保護者様の食事の様子を目で追ったり、よだれを出したり、モグモグする動きをしたりしていたら離乳食の始め時です。
また、「寝返りが打てる」や「おすわりが5秒以上でき、かつ一人で座れる」という発達状態も、確認しましょう。
お腹がすいていない
母乳またはミルクを飲む少し前のタイミングで、離乳食を食べさせましょう。先に母乳・ミルクを飲ませてしまうとお腹がいっぱいになるので、食べてくれないことが多いです。逆におなかが空きすぎている状態ですと、大泣きして嫌がってしまうケースもあります。
味や舌触りが嫌だと感じている
離乳食は、母乳やミルクとは感触・味が全く異なります。そのため、まだ離乳食を始めたばかりの頃は、味や触感に慣れずに食べないこともあります。
まずはトロトロになるまで裏ごししたり、離乳食に母乳やミルクを少し混ぜたりするなど、いつも慣れている舌触りや味に近付けて離乳食を作ってみましょう。また、味付けはせずに、米・野菜の素材の味だけにしましょう。
押し出し反射で吐き出してしまう
「押し出し反射」とは、赤ちゃんにとって吸えないものが口内に入ってきた時、反射的に口の外に押し出してしまう現象です。5カ月くらいで離乳食を始めた際によくみられる動きです。
対策ですが、まずはスプーンを赤ちゃんの口に入れすぎずに下唇へ軽く乗せ、上唇が下りてきた時にスプーンを引きぬくようにし、食べ物をはさみとらせるようにしましょう。
好き嫌いが出てきた
色々な味を知ることで、好き嫌いがはっきり出てくる時期です。幅広い食材を食べるようになる時期なので、いろいろな食べ物を試してみましょう。
離乳食を食べているのに体重が減るのはなぜ?
生後すぐの赤ちゃんは「生理的体重減少」によって、一時的な体重減少がみられます。しかし、生後4日を過ぎても増加傾向が現れない場合は、赤ちゃんが母乳を吸うのに慣れていなかったり、お母さまの母乳量が安定していなかったりする可能性があります。生後3ヶ月までの赤ちゃんで、1日に平均1日20g未満しか体重が増えていない場合は、一度小児科医へ受診しましょう。
また、極端に運動量が多い赤ちゃんや、何らかの病気がある赤ちゃんも、体重が減る傾向がみられます。
運動量が多い赤ちゃんはミルクまたは母乳の飲みがよく、うんちがよく出ています。この場合は心配する必要がありませんが、何らかの病気を持っている赤ちゃんの場合でしたら、早めに小児科へ相談してください。
離乳食をまる飲みしてしまう?
この頃の赤ちゃんの舌は、前後と上下、左右に動かせるようになり、舌でつぶせないものは歯ぐきでつぶします。
ただ、急に形を大きくしたり、食べ物をかたくしたりすると、うまく噛めずにまる飲みしてしまいます。
まずは柔らかめの料理メニューの中に、徐々に固めの料理メニューを増やすなどの工夫をお勧めします。
また、保護者様がスプーンで食べさせる時は、前のほうに食べ物を置いてみましょう。手づかみ食べもお勧めします。